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UFOラインで石鎚山系の魅力を発信中! いの町本川地区の豊かな自然を守るために。

2024.01.16

地域おこし協力隊(※以下、協力隊と記載します)の活動を綴る、「こつこつ活動日誌」の移住した人シリーズ。

・移住した人ってどんな生活をしているの?
・協力隊ってどんな活動をしているの?

そんな移住に興味がある方に、移住者のビフォーアフターをご紹介する記事です。

今回は、「山の案内所」で石鎚山系の魅力を発信するために、
2022年4月、愛媛県松山市から高知県いの町へ移住された西田亜希子さんにお話を伺いました。

(※)地域おこし協力隊とは、都会から地方に住民票を移し、地場産品の開発や地域活動への協力を行いながら、地域への定住を図る取組です。任期はおおむね1年から3年です。詳しくはコチラ

プロフィール写真.jpg

西田 亜希子(にしだ あきこ)

いの町地域おこし協力隊2年目(2024年1月現在)。香川県出身。
愛媛の会社員時代に、冬の石鎚山(標高1,982mで西日本最高峰)の写真に感動し、登山に興味を持つ。いの町で石鎚山系の観光案内所を立ち上げることを知り、協力隊として高知に移住。UFOライン(※)のある石鎚山系の魅力を発信している。

(※)西日本最高峰の石鎚山を背景に伸びる全長約27kmの町道。標高1,300〜1,700mの尾根沿いを縫うように走るルートは、天空へと続く絶景のドライブコースとして人気があります。詳しくはコチラ

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石鎚山の雪と霧氷に魅せられて、登山に興味を持った。
好きなことを仕事にしてみようと思い、協力隊の道へ。


———いの町に移住される前は、どんなお仕事をしていましたか?

西田さん:移住する前は、宅地建物取引士として宅地分譲に関わる仕事をしていました。他にも、建設業やコンビニ業界で事務職として働いていたこともあります。


———会社勤めをしながら趣味で登山をされていたということですが、山との出会い、登山のきっかけは何だったんですか?

西田さん:たまたま冬の石鎚山(※)の写真を見たことですね。「こんなにキレイな冬の山が近くにあるんだ! いつか行ってみたいな」と思っていました。もちろん、いきなり冬の石鎚山に登るのは難しいと思い、まずは夏の低山へ。それから少しずつレベルの高い山を目指すようになりました。

(※)愛媛県の西条市と久万高原町の境界に位置する標高1,982mの山。西日本最高峰で、山頂から望む展望が四国八十八景64番に選定。


———石鎚山に憧れて、登山にハマっていったんですね。登山道整備のボランティアにも参加していたとか。

西田さん:そうなんです。冬の石鎚山にも無事に登頂し、石鎚山系には定期的に登るようになっていました。そこで、行きつけのアウトドアショップの店長さんに誘ってもらったのが、登山道整備のボランティアでした。

実は、このボランティアに一緒に参加していたのが、いの町の役場職員の皆さん。そこで、山岳観光をミッションとする地域おこし協力隊を募集する、という話をお聞きしました。

石鎚山系に最も近い “いの町本川地区”で、大好きな山々に関わる仕事ができることに、すごく興味を持ちましたね。


———興味を持ってから移住に踏み切るまでには、どんな不安や悩みがありましたか?

西田さん:一番は、地域おこし協力隊として何ができるのか、という不安です。これまでの仕事はデスクワークで、事務的な作業が中心。自分の好きな山とはいえ、その魅力を発信する方法やワークショップなどの企画を考えるような仕事はやったことが無かったので、とても不安でしたね。


———そんな不安を抱きながらも、移住を決意した一番大きな理由はなんですか?

西田さん:やるなら今しかないとも思ったんです。というのは、夫は単身赴任でしたし、子育ても終えていました。自宅のある松山までも車で2時間程度なので、何かあればすぐ帰ることもできる。だから、これは人生最後のチャレンジだ!と考えて、単身で移住することを決意したんです。

画像2 UFOライン紅葉.jpg


石鎚山系の豊かな自然を守る。
これまで体感し、学んできた知識を伝えたい。


———いの町に移住されたのは2021年。2年が経ちましたが、現在のお仕事はいかがですか?

西田さん:週に2〜3日は「山の案内所」で観光案内をしています。好きな場所の魅力を伝えるのはやっぱり楽しいですね。また、訪れる人以外にも情報発信したいと考え、インスタグラムにて四季折々の景色をお届けしています。SNSでここの魅力を知って、訪れてくれる人が増えるといいなと思っています。

「山の案内所」のインスタグラムはコチラ


———インスタグラムを拝見すると、美しい景色だけでなく、安全面の情報発信もされていますね。

西田さん:はい、楽しく安全に登山を楽しんでもらえるように、道路の通行状況や登山道の状況などを伝えるようにしています。温暖な気候で知られる高知県ですが、ここは冬季に道路を閉鎖するほど雪が積もります。その際は、現地の写真とともに、アイゼンやピッケルなどの冬用の登山道具の携行を呼びかけています。


———そういった山の魅力などを発信していくために、取り組んでいることはありますか?

西田さん:知識を増やすために、講習会などに参加しています。石鎚山系は高知と愛媛の4つの自治体にまたがっていて、各地で自然や生態系についての講習が開催されているんです。林業やキャンプ、登山などのアウトドアに関する資格の勉強もしており、観光案内に生かしていきたいです。


———勉強熱心でとても素晴らしいですね!観光案内をする上で大切にしていることはありますか?

西田さん:「自然の素晴らしさ、環境保全の大切さ」を知ってもらうことですね。

石鎚山系は仁淀川を始め、いくつかの河川の源流があります。水源となっているのは、雨や雪だけでなく、霧や朝露。山にいるだけで、登山ウェアがずぶ濡れになるので、いつも山に存在する水の多さには驚かされます。


———山にいるだけでずぶ濡れに!? 水源になっている証ですね。

西田さん:そうなんです。その水が土に染み入り、川から海へ至ります。だから、山の環境が悪くなると、川も海も荒れていきます。その結果、土砂崩れや不漁など、人間の生活に大きな影響を及ぼします。近年では、シカの増加による自然、生態系への影響の心配もありますね。


———山の環境が大切だということに気づかされますね……。

西田さん:私も街で生活していたら気がつきませんでした。ただ、自分で山に入り、講習で学ぶうち「今の私たちの暮らしを守るために、まずは山の環境を守ることが大切」ということを知りました。

山を訪れる人だけでなく、全ての人に関わるのが山の自然。その大切さを少しでも多くの人に伝えたいですね。

画像3 吉野川源流モニュメント.jpg


重要文化財の古民家を活用。
いの町本川地区のファンになってもらいたい。


———「山の案内所」以外には、どんな活動をしているんですか?

西田さん:地域の資源を活用したい!という気持ちから、いの町本川地区にある国指定の重要文化財である「山中家住宅」でイベントを企画しました。

「山中家住宅」は、かやぶき屋根で囲炉裏があり、趣のある古民家です。建築時期は推定江戸時代中期ごろとのことで、築300年を超えている建築物です。

先日、行政による保存改修が終わり、これから活用してほしいとの役場の思いも聞いていました。私も、この場所を活用して、ゆっくりと時が流れる昔ながらの暮らし、山村の癒しの空間を体感してほしいと思っているんです。


———イベントではどんな体験をされたんですか?

西田さん:「山中家住宅」の囲炉裏を囲んで、春は葉わさび、秋はきのこを味わう体験をやりました。

重要文化財で、囲炉裏に火をつけて鍋を囲むなんて、他の地域で体験できるところは少ないと思います。窓は開けっ放しで、昔の生活や雰囲気をそのまま体感することができます。秋は、紅葉を終えたトチの葉がカラカラと音を立てて、一斉に舞い散る光景に感動しましたね。


———このイベントはどのような狙いで企画したんですか?

西田さん:珍しい体験をしてもらうだけでなく、「山中家住宅」のある"いの町本川地区”を好きになってもらいたいと考えていました。

そのために、地域の特産品を味わったり、地域の方と一緒に竹串やクロモジのお箸を作ったりする時間も設けました。

私自身も、地域の自然や生活、歴史について事前に学び、案内したこともあり、県外の方には特に興味を持ってもらえたと思います。

さらに、参加者のみなさんに対して、おひとりずつ感謝のお手紙を送りました。興味のある方に向けて次のイベント告知をするなど、丁寧にご縁を繋いでいくように心がけています。

画像4 山中家住宅.jpg


いままでの当たり前が、ここでは当たり前じゃない。
田舎にきて、何事にも感謝できるようになった。


———意を決して単身で移住して2年。なにかご自身の変化を感じることはありますか?

西田さん:何事にも感謝ができるようになりましたね。

ここは都会ほどインフラが整備されてません。台風の時、ある集落では倒木により孤立し、2〜3日停電が起きました。

でも、地元の方たちは、何でもすぐに手に入る都会の暮らしとは違い、この地区での生活に慣れているので、自分たちで最低限の生活が出来るんですよ。

ずっと都会に住んでいたら、停電の時は「早く復旧してくれ」と人任せになっていただろうな、と思いました。

当たり前が当たり前じゃない、都会では誰かがインフラやご飯を用意してくれる。見知らぬ誰かに支えられて生きていることをすごく理解できました。


———感謝ができるようになる。すごく素敵ですね。買い物の仕方も変わったとか。

西田さん:そうですね。

まずは、1つのものを大切に使うようになりましたね。近くの100均などで、モノがすぐに買えるような場所ではないですから。

あと、ブランドや見た目の華やかさに惹かれて買い物をすることは少なくなりました。特に、冬は温暖な四国とは思えない寒さなので、今では動きやすいか、暖が取れるかなどの機能性で服などを選んでいます。


———移住後の新しい生活や変化を楽しんでいる西田さんから、移住に興味を持ってこの記事を読んでいる方にメッセージをお願いします!

西田さん:田舎暮らしは都会とは違って不便なこともたくさんあります。

でもその分、みんなが助け合って感謝をし合いながら生活を積み重ねている、とても豊かな場所です。みんな一度は田舎に住んでみてほしい。そうなれば世界がもっと感謝であふれるいい場所になりそうな気がしています。


もっと知りたい方は、コチラから西田さんのインスタグラムへどうぞ!

画像5 石鎚山.jpg

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