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トマト農家独立に向けての1年目!大好きなトマトを作って届ける側に。

2022.11.16


どんどん成長していく苗をみていると、とても愛おしくなるんです。
もうトマトの苗は我が子です(笑)


森悠介さん

高知県日高村地域おこし協力隊1年目(2022年10月現在)。大阪の商社で営業を行っていたが離職し、2021年12月に協力隊に着任。農業生産法人コスモスアグリサポートにてフルーツトマトの栽培研修中。

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Q:地域おこし協力隊に興味を持ち始めたきっかけは何ですか?
A:田舎での暮らしにずっと興味があったんです。

私は大阪生まれ大阪育ち、その中でも程よい緑に囲まれた堺市南区で都会で育ちました。
でも5歳くらいの頃、親戚のおじさんおばさんが岡山の田舎暮らしをし始めて、自然に囲まれた生活を営むため、山を切り開いていっていたんです。
休みになるとよく家族みんなでおじさんたちのところに遊びに行って、山の中で虫を捕まえたり、駆け回ったりして遊んでいました。

それから数年たって、大阪で私も就職し働きはじめた頃、何となくテレビをみていた時に、お昼の番組に、その親戚のおじさんとおばさんが出ていて。あの子どもの頃に遊んでいた山で、カフェと宿をオープンしており、その様子が紹介されていたんです。
「え!!おじちゃんとおばちゃんが出てるじゃん!」って(笑)
びっくりしたのと同時に、子どもの頃の楽しかった記憶が蘇ってきて、こういう田舎での暮らしができたらいいなと思いました。

あと実は生まれつき片耳難聴で、片方の耳が全く聞こえないんです。
両耳聞こえる人は、片方で近くの音を、もう片方で周りの音をって聞き分けられるんですけど、私の場合それができない。だから、人込みや都会のガチャガチャしている様な場所にいると、全部の音が一気に入ってきて、常にカラオケや居酒屋にいるみたいで、しんどいんです。

毎日何十分も電車に揺られて、人混みの中を移動して、通勤するのを繰り返していると、「田舎で暮らしたい」という思いがどんどん募っていって。

“田舎移住”で検索をした時に引っかかったのが、地域おこし協力隊でした。

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Q:さまざまなミッションがある中で、トマト農家への就農を選んだのはなぜですか?
A:食に関わる仕事がいいなと思ったんです。

小学校の時に図書館で借りた子ども雑誌の1ページ目に載っているレシピを見ながら、一度オムライスを作ったんです。でも、それが全くうまく行かなくて(笑)
人参は固いし、ご飯はべちょべちょで、卵もうまく巻けない…
「お母さんが作るのと、なんでこんなに違うんだ!」って悔しくて、母に教えてもらったり、自分でも改良したりしているうちに、料理にどんどんハマっていきました。

“料理”から“食”への興味に変わったのは、大学に進学し一人暮らしを始めてからですね。
実家にいた時は、家の冷蔵庫に残っているものや、母に頼んで買ってきてもらったもので料理をしていたのですが、一人暮らしとなると買い物から自分でするようになって。

人参は人参でも種類によって値段が全然違ったり、豆腐もメーカーによって値段が全く違ったりするじゃないですか。その中から自分で選んで買い物をしていくうちに「何でここまで値段が違うんだろう」と疑問を持つようになりました。
値段だけではわからない、こだわりや安全性、野菜一つとっても、どんな人に、どうやって育てられて、どんな過程を経て、自分のもとに届いているのかを意識するようになったんです。

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そこから、“食”に対して興味を持ち始めました。大学卒業後に就職したのは、全く食には関係ない商社の営業だったんですけど(笑)
移住を考え始めた時に、その気持ちを思い出して、自分が届ける側になるのもいいんじゃないかって、「農家になろう」と思いました。

農業をやるとなった時に、多種の野菜をたくさん栽培するか、一種だけで何かしらの付加価値がつけられる野菜で勝負する、という2つの選択肢があったんです。
だったら、私は自信を持って消費者のもとに届けられる野菜を作りたいと思いました。じゃあ何を作ろうかと考えていた時に、浮かんできたのが「フルーツトマト」でした。
フルーツトマトはブランド価値がついているものも多く、付加価値もつけやすい。そして何より、私がトマト大好きなので、トマト農家になろうと決めました(笑)

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Q:数ある地域の中から、日高村を選ばれたんですか?
A:どこをとっても「いいな」と思った。

トマト農家になると決めてから、フルーツトマトの産地を調べ始めました。

北海道、福岡、熊本とさまざまな産地がある中で、高知県日高村が出てきたんです。人口5000人の小さな村ですが、フルーツトマトの中でも“シュガートマト”という日本一にも輝いたブランドトマトを栽培していることを初めて知りました。しかも、地域おこし協力隊としてトマト農家に就農する人を募集していて、「ここだ!」と思いました。

一度見に行ってみようと、父と一緒に日高村を訪れました。そしたら、日高村がとても自分の理想とかなり合致していて。
自然が豊かで少しいけば川も山もあって田舎の生活ができる環境なのに、高知市内までは車で30分くらいで行けてアクセスもいい。トマトのハウスの設備や、研修する環境、気候、出会った人の雰囲気、どこをとっても「いいな」と思ったんです。この自分の直感を信じて、ここにしようと決めました。

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Q:地域おこし協力隊として、実際どのような活動をしていますか?
A:農業の基礎から勉強中です。

12月に着任してから、まずは四万十町にある農業担い手育成センターに通い、農業の基礎を勉強しました。前職は商社の営業をしていて、農業に関しては全くの素人。知識がなかったのでまずは、基礎から勉強したらいいんじゃないかと、日高村役場の職員さんが勧めてくださったんです。

2月の終わりくらいまでの3ヶ月間、茄子・きゅうり・ししとう・ピーマンなどの栽培に関する研修、ハウス園芸の管理方法から病害のことまで、トマトの栽培に限らず農業の基礎的なことを勉強しました。

2月までの研修を終えてから6月末くらいまでは、日高村のコスモアグリサポートが所有する研修用ハウスでシュガートマトの収穫。収穫期が終わってからは、その年の苗を枯らし、ハウスの中を殺菌して、土をならしたり、肥料を撒いたりして、次作の準備をしましたね。

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現在は、私とほとんど同じタイミングでトマト農家になるために地域おこし協力隊として移住してきた國森さんと一緒に、1作目となるシュガートマトを育て始めました。

収穫する日を逆算し、いつ苗を定植して、どれくらい肥料をあげ、どれくらい水を撒くのか、温度や湿度の設定をどうしていくか、全ての作業の計画を研修担当の方と一緒に考え、絶賛栽培中です。

Q:トマトを栽培していて、楽しいことはありますか?
A:自分で植えたトマトの苗がかわいい。

自分が植えたトマトの苗たちがかわいいことですね(笑)
やっぱり自分がひとつひとつ植えて、どんどん成長していく苗をみていると、とても愛おしくなるんです。

前作の3月から6月末にかけて収穫したトマトは、自分で植えたトマトではなかったのもあって、気持ちが全然違います。前作の時に、パートのおばちゃんたちには「次、自分で植えたトマトたちは、きもっとかわいく見えるよ〜」と言われてて。「そんなにちがうかな」と思っていましたが、今、それをひしひしと実感している最中です(笑)もうトマトの苗は我が子です。

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Q:日高村ではどんな人に会いましたか?
A:優しいパートのおばちゃんたち。

「あんたが独立した時には、そこで働くわ〜」と言ってくれる、パートのおばちゃんがたくさんいます!来たばかりの時から、毎日、一緒にシュガートマトを収穫して、休憩中におやつを食べながらたくさんお話してたら、みんなで一緒にランチに行くくらい仲良くなりました。
外から来て、農業も全くしたことがなかった私にも、とても優しくしてくれて、独立した時には私のところで働いてくれるとまで言ってくれるんです。本当にうれしいですよね。

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Q:これからはどのような活動をしていく予定ですか?
A:覚悟と技術が持てるように準備をしていくのみ。

トマトハウスを一から建てるとしても、建っているハウスを補修して使うとしても、お金が膨大にかかるので、就農するとなると、どうしてもマイナス生活からスタートになるんです。
だから、卒業する3年目までに、それでもトマト農家として生活していくという、覚悟と技術が持てるように準備をしていくのみです。

あと、日高村で農家をするとなると、周りの人との繋がりが大切になってくると思うので、先輩のシュガートマト農家さんに、アドバイスをもらいにいったり、見学させてもらったりしながら、卒業までに繋がりを広げて行こうと思っています。

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写真:日高村地域おこし協力隊 加藤愛子

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